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2012年1月29日(日)、下記の要領で、私が所属している東京歴史科学研究会主催で歴史科学講座「歴史学は災害にどう向き合ってきたのか」が開催されることになった。報告者の一人成田龍一氏は、近年、国民国家論の見地から近代史学史を問い直すという営為を行っている。成田氏は、「関東大震災のメタヒストリー」という論文を執筆しており、本ブログでも、

近代史研究者の成田龍一さんには「関東大震災のメタヒストリーー報道・哀話・美談―」(『思想』866号初出、1996年。『近代都市空間の文化経験』再録、2003年)という研究がある。この中で、成田さんは、関東大震災が「われわれ」の体験として語られていくという見込みの中で、まず、報道が鳥瞰的視点・虫瞰的視点を駆使しつつ「全体」を創出し、そして哀話と美談という語りによって「全体」が当事者をまきこんで共有していくと述べている(「東日本大震災の歴史的位置ー『朝日新聞』における被災地報道と原発報道との間の不協和音」 2011年3月27日)。

という形で紹介した。

他方、北原糸子氏は、近世から近現代にかけての災害・救済の問題を実証的に検討しており、さまざまなところで活躍されている。例えば、安政の大地震の際の鯰絵の流行を「災害ユートピア」的な見地から分析している。地震と「貧困」の問題に揺れ動かされた日本社会の現状をみる参考になる思われる。

ご興味のある方は、是非お出で下さい。

2011年度 東京歴史科学研究会 歴史科学講座

「歴史学は災害にどう向き合ってきたのか」

報告者:成田龍一氏
「災害史の構想力と可能性をめぐって―3.11の経験をへて」(仮)

報告者:北原糸子氏
「理系災害学と文系災害史研究」

【講座概要】
東日本大震災と原発事故は歴史学に大きな影響を与え、災害史研究に注目が集まっています。しかし、歴史学はこれまで、過去および同時代の災害にどのように向き合い、そこから歴史認識を深めるどのような学問的営みを行ってきたのでしょうか。今回の歴史科学講座は、震災を機に生じた歴史認識の変化をふまえつつ、これまでの歴史学における災害史研究のあり方について、史学史的観点から歴史学の自己点検を試みます。 成田龍一氏には史学史における災害史について、北原糸子氏には災害史研究者としての立場から、上述のテーマについてそれぞれご講演をいただきます。

【日時】2012年1月29日(日)13:00~
(戸山キャンパス正門前集合:12:45)
【会場】早稲田大学戸山キャンパス36号館681教室
【参加費】600円

※当日は入構制限のため、戸山キャンパス正門前に12:45にお集まりください。会場までご案内いたします。
遅れてご参加の方は、090-9828-1172まで当日お電話下さい。係の者がご案内に伺います。

【問い合わせ】東京歴史科学研究会 TEL/FAX 03-3949-3749
〒114-0023 東京都北区滝野川2-32-10-222(歴科協気付)
e-mail:torekiken@gmail.com  URL: http://www.torekiken.org/

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