B地区には、愛宕山に登るエレベーターがあり、このエレベーターによって愛宕グリーンヒルズD地区につながっている。愛宕山は標高26mで、大分前に述べたように、近世江戸では随一の展望台であった。そして、そこに登る石段の急なことでも知られていた。前述したように石段は現存しているが、今は、出世の階段を上ることを切望して愛宕神社に参詣するビジネスマン以外は、その石段を登る必要はない。無料の愛宕山エレベーターに乗ればいいのだ。もちろん、多少微妙な気持ちはするのだが。
この愛宕山エレベーターは、愛宕トンネルの近くにあるのだが、かなり「近未来」な感じがする。清岸院に登るエスカレーター同様、歴史というよりも「未来」にそっている。それが、近世以来の景勝地愛宕山にあるので、ちょっとミスマッチな印象がある。汐留シオサイトみたいに、すべてが「未来志向」ならば、このデザインも周辺に溶け込めるのだが。
なお、歩いて登りたい方は、エレベーターわきに非常階段のような階段がある。また、青松寺から延々と続く遊歩道もある。ただ、この遊歩道、あまり明るい道ではない。傳叟院の墓地と、暗い照葉樹林にはさまれているので。愛宕グリーンヒルズの全容を知るにはいい道なのだが。
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