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Posts Tagged ‘鬼子母神’

2011年10月16~18日、東京都豊島区雑司ヶ谷(池袋の南側にあたる)において、今年もお会式の万灯行列が行われた。このお会式について、本ブログでは、このように説明している。

単純化すると、地域(豊島区南部)と宗教(日蓮宗)がコラボーレションしたような現代的都市祭典である。鬼子母神は、日蓮宗の法明寺に属している。日蓮宗では10月13日の日蓮の命日を追悼するためにその前後に「お会式」(おえしき)が行われる。最も有名なのは、日蓮がなくなった池上本門寺で行われている。雑司ヶ谷鬼子母神では、10月16-18日の三日間に行われている。基本的には、それぞれの講社が、うちわ太鼓や太鼓などを集団でたたきながら、まといなどをもって踊り、日蓮の事績や題目などが描かれた万燈を持参して、池袋駅東口(西武池袋)からパレードし、雑司ヶ谷鬼子母神・法明寺に参詣するというものである。

雑司ヶ谷鬼子母神お会式の万灯(2011年10月17日撮影)

雑司ヶ谷鬼子母神お会式の万灯(2011年10月17日撮影)

お会式について、よりご興味があれば、このブログで詳述しているので参照されたい。

今年のお会式においては、福島県を支援する試みがみられた。

その一つが、NPO法人「元気になろう福島」による「うつくしま子ども未来塾」基金への協力依頼をよびかけるブースの設置である。募金を集めるとともに、会津の牛のアイテムの販売を行っていた。場所は、鬼子母神堂のすぐ前で、屋台などが多く出されている鬼子母神境内の中では、かなり優遇されているといえる。

NPO法人「元気になろう福島」のブース(2011年10月18日撮影)

NPO法人「元気になろう福島」のブース(2011年10月18日撮影)

もう一つが、JA福島による「特産品販売」のブースである。野菜、漬物などが販売されていた。これも、鬼子母神堂のすぐそばにあり、かなり優遇されているといえる。

福島県JA復興特産品販売のブース(2011年10月18日撮影)

福島県JA復興特産品販売のブース(2011年10月18日撮影)

福島県産物の忌避は各地で起きている。例えば、9月には、福岡市で「ふくしま応援ショップ」を開催する予定が、抗議のメールや電話が殺到しているということでとりやめになったことが報じられた。

東京電力福島第1原発事故後の風評被害に苦しむ福島県の農家を支援しようと、福岡市内で17日に予定されていた「ふくしま応援ショップ」の開店が7日、取りやめになった。企画者側によると、計画発表後に「福島のトラックが来るだけで放射能を運んでくるだろう」といったメールや電話が相次いだことが原因という。新たな出店先を探すが、被災地を応援しようという試みに水を差された。

 「応援ショップ」は福岡市西区の商業施設「マリノアシティ福岡」内の農産物直売所「九州のムラ市場」の一角約20平方メートルに開設する計画だった。ムラ市場関係者によると、メールや電話は約20件で「出店をやめないなら不買運動を起こす」や「危ないものを売るとはどういう了見だ」などの内容も含まれる。ショップの運営主体で生鮮品宅配などを行っている「九州産直クラブ」(福岡市)にも同様のメールが約10件送られているという。

 ムラ市場によると、産直クラブは国の暫定規制値の10分の1まで放射性物質量の基準を厳格化し検査結果は店頭で開示。生鮮品の取り扱いはやめ、震災前の原材料を使った加工品だけを販売する方針だったが、7日に関係者で協議し異論も出たため見送りを決めた。

 産直クラブは「こんな事態になるとは予想していなかった。安全性は検査した上で消費者に判断してもらいたかったが、非常に残念」。ムラ市場側は「メールの内容はいわれのない話で、とんでもないことだが、他のテナントに迷惑を掛けるリスクがあった。違う形で支援したい」と説明した。

 ムラ市場と産直クラブは正式な店舗使用契約は結んでおらず、ムラ市場に出資しているマリノアシティ運営会社の福岡地所は「出店の合意形成ができていたとはとらえておらず、メールなどの苦情は判断材料ではない。被災地支援は企業としてこれまでも行ってきた。収益性の観点からもムラ市場は九州の生産者支援に力を注ぐべきだ」としている。

=2011/09/08付 西日本新聞朝刊=
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/262245

このような「忌避」は、かなり極端な事例として報じられる場合、福島第一原発事故の影響が少ないとみられる西日本のほうが多いように見受けられる。東京の鬼子母神境内では、普通に販売ブースが設置された(ただ、鬼子母神内部で議論があったかもしれない)。そこそこ購入者もいた。全体として、存在自体を忌避しているようには見られなかった。

ただ、価格であるが…写真に写っている小松菜は100円、ブロッコリーは100円、トマトは250円である。今の市価はよくわからないが、最近野菜の値段が上がっているようで、この間購入したブロッコリーが200円を超えていたことは記憶している。トマトは比較的高価な野菜で、一般的に300円は超えているのではないかと思う。

ここでは、ピーマンも販売されていた。写真ではラベルがみえないが…1袋50円である。このピーマンを購入してみた。

鬼子母神境内で売られていた福島県産ピーマン(2011年10月19日撮影)

鬼子母神境内で売られていた福島県産ピーマン(2011年10月19日撮影)

少々小ぶりではあるが、6個入りであった。翌日、前に買い置きしたピーマン(茨城県産である)とあわせてチンジャオロースにしてみたが、もちろん、何も変わらず、普段よりも甘く感じた。

販売担当者が別の客に説明しているのを聞いたのだが…普段だったら、とてもこんな値段では販売しないそうだ。前回紹介した、カタログハウス東京店では、ピーマンは210円で販売されている。カタログハウスで売られている野菜全体が比較的高く、大体200円はこえていたことと著しい対照をなす。

福島県では、放射性セシウムの検査を他県よりきめ細かく行っているが、最近の結果であると、一年草の野菜については、不検出かもしくはごく微量しか検出されていないのである。鬼子母神境内で販売されていた野菜も、基本的には健康に支障がないと考えられる。何も、小出裕章氏のように、悲壮な決意をもつこともなく、福島県産の野菜は食べられるのである。

ある意味では、すごく不条理である。カタログハウスで販売されている野菜は、市価よりもむしろ高めに販売されているのに、鬼子母神境内でJA福島が販売されている野菜は市価を大きく割り込んだ値段で販売されているということになるのである。そして、福島県産であっても市価を大きく割り込んだ価格の野菜をあまり気にせず買うのは、少しでも安い価格の商品を買わなくてはならない低所得者ということになろう。割り切れないが……。

根本的には、消費者が納得できる基準で、より厳格に検査すること。そのことによって、カタログハウスがそうしているように、「ブランド」化すること。福島県産の野菜を売るということについては、それがベターかもしれない。

しかし、それでも、釈然としない思いは残る。結局、生産者の目線ではなく、消費者の視線を考慮した流通側のセンスがそこでは優先されているともいえるのである。宮城県の水産特区でも同じ問題があろう。結局、ある意味では消費者のセンスを熟知した流通側の思惑で、生産者が組織されなくてはならないのであろうか。

20日、たまたま通りかかった、東京都北区滝野川のスーパーの店頭で、ピーマンが売られていた。1袋(たぶん5個入り)で60円。いやに安いと思ってみたら、袋には「JAたむら」と表示されていた。つまり「福島県産」なのである。どうも、福島県産の野菜は、一般的にはこのような価格で売られているようである。

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