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Posts Tagged ‘籾井勝人’

本日、2014年4月1日は、エイプリルフールである。その日にふさわしい話題が報道された。

NHK会長「1人の行為で信頼全て崩壊」 入局式で訓示
2014年4月1日20時23分

 就任会見での政治的中立性を疑われる発言が問題になっているNHKの籾井勝人会長は1日、新入局員の入局式での講話で、「(就任)初日に記者会見を行った際、質問に答えて個人的な意見を言い、大きく報道されました。入局前の皆さんには、ご心配をかけたことと思います。たいへん申し訳ありません」と話し、謝罪した。

 その後、NHKが受信料によって成り立っていることに触れ、「職員全員が信頼や期待を積み重ねていったとしても、たった1人の行為がNHKに対する信頼のすべてを崩壊させることもあります。自らの行為の、NHKや日本の社会に与える影響や責任の重さは、昨日までとは全く違うことを、しっかりと自覚していただきたいと思います」と話した。
(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASG416FF4G41UCVL034.html

これは、残念ながら実話である。朝日新聞以外の多くの新聞や通信社も同様の報道を行っている(NHK自体は報道していないようだが)。

入社式や入庁式などで、そのトップが「1人の行為で信頼全て崩壊」することを警告する訓示を行うことは、よく見られることである。しかし、籾井の発言自体が「1人の行為で信頼全て崩壊」させるものではなかっただろうか。入局式でこのような訓示を行っても、「よくできたエイプリルフール」としか受け取ることができないのである。

籾井については、もはや「笑う」しかない。しかし、この「笑い」は、籾井が組織の代表として発言する資格を失ったことを示している。これ以上、籾井は嘲笑される立場にしがみつづけるつもりなのだろうか。安倍晋三は、新入局員にも劣る会長を今後とも擁護しつづけるのであろうか。そして、そんなことを許せば、NHK受信料を払っている私たちが「四月馬鹿」にされたということになろう。

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2月8日に続き、2月14〜15日も、関東甲信地方は記録的な大雪に襲われた。まず、朝日新聞のネット配信記事をみてほしい。

東日本の広範囲で記録的大雪 甲府で114センチ
2014年2月15日12時25分

 日本の南海上を進む発達した低気圧の影響で、東日本は14日夜から15日にかけて広範囲で記録的な大雪となった。甲府市や前橋市では積雪が観測記録を大幅に更新し、首都圏各地の交通網は混乱した。東急東横線の元住吉駅(川崎市)では電車同士の衝突事故も発生し、19人が軽傷を負った。

 甲府市では15日午前、先週の残雪分も含め114センチの積雪を記録し、1998年1月の49センチを大幅に上回り、1894年からの観測記録を更新。埼玉県秩父市は98センチ、同熊谷市62センチ、前橋市73センチといずれも観測史上1位となった。東京都心も歴代8位タイとなった8日と同じ27センチ。横浜市も28センチを記録した。

 気象庁は14日夕には東京23区の降雪量の予測を10センチとしていたが、低気圧からの暖気が予想よりも入り込まず気温が低くなり、雪の量が増えたという。

 16日午前6時までの24時間降雪量は、いずれも多い所で東北70センチ、関東北部山沿いと甲信60センチ、関東南部20センチ、関東北部の平野部10センチと予想されている。

 群馬県富岡市では同日朝、雪の重みで車庫の屋根が崩れ、男性(79)が下敷きになり死亡した。

 関東南部の平野部では同日未明に雨に変わったが、内陸や山沿いでは16日にかけて雪や強風が続く見込みで、気象庁は警戒を呼びかけている。最大風速はいずれも陸上で東北20メートル、関東18メートル、東海15メートルと予想されている。
http://www.asahi.com/articles/ASG2H1RB8G2HUTIL008.html

甲府・秩父・熊谷・前橋と、軒並み記録更新という状態で、特に甲府では、これまでの記録の2倍以上の114センチを記録した。そして、これは、単に記録というだけでなく、この記事にもあるように、この大雪によって、首都圏の交通網は大混乱に陥ったのである。

私事になるが、本日(15日)、私個人は群馬県館林市の会議に出席することを予定していた。何もなければ、東北道などを経由して自動車で行くことにしていたが、スノータイヤなどの装備がなく、前日(14日)の時点で断念し、鉄道で行くことにしていた。

しかし、東京にいても、夜が深まるにつれて積雪がましており、翌朝起きてもとんでもない深さの積雪だった。とにかく、館林まで鉄道は動いているだろうか。どのくらいの積雪だろうか。そのような情報を求めて、NHK総合テレビの7時台のニュースをみてみた。ところが、大雪情報は少しばかりで、多くは、ソチオリンピックの男子フィギュアスケートで金メダルを獲得した羽生結弦選手のことばかりであった。やや後の配信だが、こんな調子である。

金メダルの羽生「復興に役立ちたい」
2月15日 12時55分

ソチオリンピック、フィギュアスケートの男子シングルで金メダルに輝いた羽生結弦選手は、試合後の記者会見で、東日本大震災で出身地の仙台市が被災した経験に触れ、「復興に役立ちたい」という強い思いを口にしました。

羽生選手は会見で、報道陣から試合後にあまり笑顔を見せない理由を問われて、「金メダルの実感が沸かないこともありますが、震災からの復興のために自分に何ができたのか分からない。複雑な気持ちです」と答えました。
そして、震災の当時を振り返って、「スケートができなくて、本当にスケートをやめようと思いました。生活するのが精いっぱいというなかで、大勢の人に支えられてスケートを続けることができました。金メダルを取れたのは、被災した人たちや支えてくれた人たちの思いを背負ってやってきたからです」と語りました。
そのうえで今後について、羽生選手は「将来、プロになったとき、震災からの復興のために何かできればと思っています。金メダリストになれたからこそ復興のためにできることがあるはずです。これがスタートになると思います」と真剣な表情で話していました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140215/k10015261821000.html

後述するように、私個人は「オリンピック報道」が好きではない。ただ、それは報道のやり方がきらいなだけであって、オリンピックのそれぞれの種目でメダルを獲得すること自体、選手個人にとってかけがえないものであり、一般の「日本国民」においても、喜びを分かち合いたいと思う人が多く存在することは当然だと思う。しかし、その時の私は、何よりも、大雪とそれによる交通網への影響についての最新で詳細な情報を欲していた。とにかく、NHKニュースからの情報収集をあきらめ、民放各局のニュースをみることにした。民放ニュースも「羽生結弦の金メダル」一色であったが、それでも、NHKのニュースよりは、大雪情報を伝えていた。結局、NHKにはたよらず、民放ニュースとネットで収集した情報をもとに、館林までの交通網が混乱しているだろうと判断して出発時間を自主的におくらせた。その後、電話で連絡をとりあって、館林出張をとりやめた。

しかし、こんなことは、実は初めての経験である。地震・津波・台風などの災害時において、私は、CMがあり、視聴率に拘束されている民放各局のニュースよりも、公共放送であり、CMは入らず、視聴率に拘束されず、全国的な支局網をもつNHKのニュースのほうを、速報性・確実性という観点から評価していた。東日本大震災の時もそうであった。もちろん、その情報自体が信頼に値するかいなかは別だが。今回の場合は、逆に、NHKのニュースのほうが「役に立たない」と判断したのである。

もちろん、NHKニュースをずっと見ていた訳ではないので、いわば印象批評でしかないといえる。しかし、この大雪のニュースについてNHKが速報性においても確実性においても劣っていたことは、次の記事でもうかがえるように思う。

記録的大雪 なだれなど注意

県内は低気圧の影響で14日から雪が降り続き、甲府市では、積雪が1メートルを超えるなど記録的な大雪となっています。
気象台では、大雪の峠は越えたとして県内全域に出していた大雪警報は解除しましたが、引き続き雪崩や強風に注意するよう呼びかけています。
甲府地方気象台によりますと低気圧の影響で、県内は14日から雪が降り続き、記録的な大雪になりました。
午前11時の積雪は、▼富士河口湖町で1メートル38センチ▼甲府市で1メートル8センチなどとなっています。
甲府市では、これまでの記録の倍以上となり、120年前の明治27年に記録を取り始めてから最も多くなりました。
気象台は大雪の峠は越えたとして県内全域に出していた大雪警報を午前11時すぎに解除しました。気象台では引き続き16日までなだれに注意するよう呼びかけています。
また、これから16日昼前にかけて県内では風が強まる見込みで強風にも注意するよう呼びかけています。
02月15日 12時59分
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kofu/1045254843.html

これは、NHK甲府地方局の地方ニュースだが、朝日新聞の先のニュースよりもやや遅い時間に配信されたにもかかわらず、甲府の積雪を1メートル8センチとしている。些細なことなのだが、速報性・確実性という点で、NHKは劣っていたといえるのである。

まさに印象でしかないが、公共放送としてのNHKは、オリンピックでの金メダル獲得を重視し、私個人を含めた関東圏の多くの人に影響を与えた大雪情報を軽視しているように思える。私個人は、交通網の混乱で館林に行けない程度のことであるが、大雪のため、屋根などが倒壊して死傷者も出ているそうである。

さて、この「公共放送」における「公共」とは何だろう。私は「公共」には三つの含意があると考えている。一つは「国家的」であり、もう一つは共同利益などの意味での「共同的」であり、最後の一つは言論などを通じた「公開性」である。NHKの籾井勝人会長が、従軍慰安婦への言及だけでなく、「政府が『右』と言っているものを、われわれが『左』と言うわけにはいかない。国際放送にはそういうニュアンスがある」となどと発言し、物議を醸しているが、これは、まさに、言論の自由などの「公開性」の原則に対し、「国家的」に傾斜した形で「公共」を再定義しようということになるだろう。他方で、今回のようなことは、大雪情報を提供するという人びとの「共同利益」を、「国威発揚」をめざすオリンピック報道によって抑圧したものとみることができる。オリンピックに携わる選手たちのひたむきさを否定はしないし、彼らの活動を伝える報道も必要だろう。しかし、現時点での日本のオリンピック報道は、スポーツを通じて行われる国家間競争の側面が強調され、その中で、「国民」のアイデンティティを再確認することが中心となっていると思われる。その意味でオリンピック報道は「国家的」なものといえる。いわば、ここでは「国家的」なものが「共同的」なものを抑圧したものといえるのである。

このようなことは「ニュースバリュー」という形で、民放各局も含めて内面化されていると考えられる。しかし、視聴率競争に縛られている民放とは別個な形で、「公益」を実現することが「公共放送」であるNHKに期待されていたことである。最初に述べたように、災害時により信頼性の高い情報を提供するというイメージがNHKにはあった。それがふみじられていくこと、これもまたNHKの「国営放送局」化の一側面としてみることができよう。

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