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福島民報2012年4月25日号によると、福島市は3月に市内全域で測定した空間放射線量測定マップを公表した。マップその他、関係記事は次の通りである。

福島民報2012年4月25日号

福島民報2012年4月25日号

この記事によると、居住地は500メートル四方、山間部は1キロメートル四方で測定したとのことである。しかし、福島市は、このマップよりも広大であり、特に山間部の多くはまだ測定されていないのである。

一応、市としては、2011年6月の調査で毎時平均1.33マイクロシーベルトであったのに対し、今回は0.77マイクロシーベルトとなり、約42.1%低下したとしている。市としては除染の基準を1マイクロシーベルトとしているが、それ未満の区画が約72%、それ以上が28%としている。そして2マイクロシーベルト以上の放射線量を示すところとして、渡利と大波の2区画をあげている。どちらも、市の東部にある。

これでもかなり下がったようで、その要因として、福島市は「物理的減衰や風雨などの自然現象、除染の効果があった」(福島民報)としている。

このマップをみていると、福島駅周辺の中心部と、東北自動車道福島西 ICのある市の南西部には比較的低い地点が面として存在するが、福島飯坂IC周辺の市の北西部から東部、南部と1マイクロシーベルト以上の比較的高いところが続いていることがわかる。特に、東部の渡利、大波周辺では、かなり高い放射線量を示している。市の中心部に近い、信夫山の北東にもかなり高い場所がある。かなり高いはずの東部の山間部は十分測定されておらず、この地域を測定すれば、よりリスクが大きい箇所が出てくるだろう。

前回ブログでとりあげた福島県庁のある杉妻町は、0.5マイクロシーベルトで比較的低く、市の基準では除染の対象外とされている。他方で、隣接する渡利地区(どこの部分かは不明)では1.24マイクロシーベルトで除染が必要とされている地域となる。

この地域の放射線量の平常値は0.04マイクロシーベルトであり、それに多少は近いだろうと思われる0.23マイクロシーベルト未満の地区は、29箇所にとどまる。このことについて安全性に問題があるかどうかは見解の分かれるところであろう。ただ、やはり震災前の「平常」は戻っていないのである。

特に考慮せざるをえないのは、比較的放射線量が高く、市の基準でも除染が必要とされているところは、決して、比較的低いところと隔絶して存在せず、むしろ混在していることである。自宅や職場が比較的低くても、ほんの少しでも出外れてしまえば、高いところに入ってしまう可能性があるのである。

それにしても、このようなメッシュ形式の放射線量マップを公開するのは初めてらしい。より放射線量の高い時期に公開して、市民に利用してもらうべきだっただろう。近年、自助努力が主張され、社会保障が削減されてきている。しかし、このような情報を適切な時期に公開せず、放射線防護に対する自助努力を許さないことが、ここでは行われている。

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ここに、1枚の写真がある。サクラやチューリップが咲く中で、幼稚園の園庭で園児が遊んでいる。いかにも日常風景という感じである。

ふくしま南幼稚園(2012年4月24日撮影)

ふくしま南幼稚園(2012年4月24日撮影)

この写真は、実は福島県庁の前にあるふくしま南幼稚園を2012年4月24日に撮影したものである。

この場所をgoogleマップで確認してみよう。この地図ではでてこないが、この幼稚園は県庁の北側に隣接している。

福島県庁は、高放射線量で有名になった渡利地区と、実は隣接したところにある。阿武隈川の西岸が県庁であり、東岸が渡利地区なのである。確かに比較的山に近いところに渡利地区はあるのだが、福島の中心市街地の町並びにある。この地理関係は、今回福島にいってはじめて実感した。

2012年4月25日付の福島民報によると、24日の福島市の環境放射線量は0.62~0.71マイクロシーベルト/毎時である。平常値は0.04とのことである。そして郡山市が0.6程度、会津若松市が0.12程度、南相馬市が0.35程度、白河市が0.26程度、いわき市が0.11程度であり、県内主要都市の中では一番高い。飯館村の0.94に近接しているのである。

もちろん、除染はしているのであろうが…。このような幼稚園児が外から遊んでいる日常こそ、異常にみえる。たぶん、この幼稚園児の親たちには強い葛藤があったと思われる。避難すべきかいなか。そして、幼稚園児が「日常的」に外で遊ぶことにリスクはないのか。除染したとして、それでも「安全」と言い切れるのか。

異常を異常と思わせない「日常」がそこにはあるといえる。そして、それは、県庁前という、地方権力が所在し、たぶん、最もリスクから守られているはずの場所に顕然しているのだ。

郡山市議会において、ある議員が、放射線量の高低によって、都市計画をやり直すべきではないかと質問していた。それは、県全体にいえるだろう。多くの人びとが集まざるをえない県庁が、主要都市で最も高い土地にあっていいのだろうか。そういう疑問がでてくるだろう。

福島県庁(2012年4月24日撮影)

福島県庁(2012年4月24日撮影)

そういう疑問を、たぶん、県知事・首長・議員・経営者たちは押し隠しているのだろう。それゆえに、山下俊一の下記のような意見をありがたがる。山下が洗脳しているというよりーそういう面もあるがー、そのように信じ込んで、既存の地域秩序を維持しようとし、根源的な解決を模索することを回避しているのではなかろうか。自分たちも信じたいし、県民にも信じさせたいのだと思う。そして、異常を異常として感じさせず、それを日常としてしまっているのではないか。

「異常を異常と感じさせない日常」、それが福島にある。

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