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もう、先月のことになるが、2015年5月27日、東京電力は、福島第一原発の汚染水処理が「完了」したと発表した。日本経済新聞のネット配信記事をみてほしい。

福島第1の汚染水処理、東電「完了」 除去し切れず道半ば
2015/5/27 23:56

 東京電力は27日、福島第1原子力発電所のタンクにたまった高濃度汚染水の処理を「完了」したと発表した。当初の目標時期より2カ月遅れ、累積処理量は約62万トンに達する。もっとも、このうち18万トンは放射性物質を除去し切れておらず、再処理が必要。浄化作業は道半ばだ。

 福島第1原発では事故を起こした1~3号機の原子炉に冷却用の水を注いでいる。核燃料などに触れた水は放射性物質を含む汚染水となり、さらに建屋に流れ込む地下水と混じる。東電はこれを敷地内のタンクに移し、浄化装置「ALPS」などで処理してきた。

 東電の広瀬直己社長は2013年に安倍晋三首相に対し「14年度中に浄化を完了する」と約束した。しかしALPSのトラブルが頻発し、達成を断念していた。

 2カ月遅れながら浄化を完了したと東電が発表したのは、あと数カ月かかり夏以降になるとみられていた海水成分の多い汚染水の処理が、想定より前倒しできたためだ。この結果、漏洩による環境汚染や被曝(ひばく)のリスクも下がった。

 ただ作業がこれで終わるわけではない。東電によると、処理した62万トンのうち放射性物質の大半を取り除けるALPSで浄化したものは44万トン。当初はALPSですべて処理する考えだったが実現しなかった。残る18万トンは「主成分」といえるセシウムとストロンチウムを重点的に処理した水で、ほかの放射性物質は除去し切れていない。

 東電は改めてALPSで処理する方針だが、達成時期は未定。ALPSで処理した水もトリチウムという放射性物質は除去できずに残る。この水の扱いは決まっておらず当面は保管を続ける。

 地下水対策も不十分だ。1日約300トンが建屋に流れ込んでおり、浄化作業は続く。流入を止めない限り汚染水が新たに発生する。建屋の周囲の土壌を凍らせて壁を築く「凍土壁」を造成中だが、完成のめどはついておらず、汚染水問題の最終的な解決はなお遠い。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG27HAA_X20C15A5CR8000/

これを読んでいても、何がどういう意味で「完了」したのかがわからない。原子炉建屋への地下水流入は止まっておらず、日々汚染水は発生しているのである。それに、処理したといっても、一部にはセシウムとストロンチウムしか除去できなかった汚染水が残り、ALPSで再処理する必要がある。なにより、すべての汚染水処理で、放射性物質のトリチウムが除去できないでいるのだ。ある程度、高濃度汚染水における放射能汚染を緩和したという程度である。

そして、この汚染水処理におけるトリチウムの問題が課題となっている。本日6月23日にネット配信された福島民報の記事をみてほしい。

 

トリチウム処分足踏み 第一原発汚染水 政府、来年度に検討会新設
 
 東京電力福島第一原発で、多核種除去設備(ALPS)を使っても汚染水から取り除けない放射性トリチウムを含む水の処分方法をめぐる動きが足踏みしている。政府は来年度前半にも有識者や県内の漁業関係者らからなる検討会を新設し、最善の処分方法を決める方針を固めた。しかし、大量のトリチウム水を処分する技術は依然として確立されておらず、漁業関係者らも「陸上保管が前提」と慎重姿勢で、課題解決の糸口は見えない。

 ■議論本格化

 検討会は経産省の作業部会が絞り込んだ5つの処分方法について適切かどうか議論し、採用する方法を決める。検討会の構成員など概要は今後詰めるが、地元の意向をくみ上げる観点から、周辺自治体や漁業関係者らもメンバーに加える案が浮上している。
 経産省の作業部会は「採用方法について結論を出す場ではない」(同省)との位置付けで、検討会が作業部会の成果を引き継ぐことになる。同省の担当者は「国民の理解を得るため、拙速にならないように進めたい」と話している。
 ただ、作業部会は現在、それぞれの処分方法について実証試験を実施しているが、有効性が認められるとは限らないのが現状だという。

 ■慎重姿勢

 漁業関係者をはじめ地元関係者は風評などを懸念し、海洋放出など陸上保管以外の処分方法には慎重な姿勢を崩していない。
 県漁連の野崎哲会長は「ALPS処理水は現時点では陸上保管が前提。政府がどういう提案をしてくるかを注視している段階だが、いずれにしても風評を招かないように丁寧な説明を求める」としている。
 県原子力安全対策課の菅野信志課長は「県としては安易な海洋放出は認めない。どの選択肢を選ぶにしてもしっかりと議論した上で県民の理解を得てほしい」と注文した。
 
 ■保管のリスク

 東電によると、福島第一原発構内には18日現在、ALPSで処理したトリチウム水約45万7500トンが地上タンク約330基に貯蔵されている。これらの水は日々増加しており、トリチウムを処分できないと地上タンクを造り続けなくてはならない。
 タンクのうち、板状の鋼材をボルトでつなぎ合わせたフランジ型タンクの耐久期間は5年とされている。継ぎ目のない溶接型タンクへの切り替えを急ぎながらタンクの増設も進めている。汚染水対策に取り組む作業現場で大きな負担となっている。タンクの設置場所にも限界があり、原子力規制委員会の田中俊一委員長(福島市出身)は「トリチウム水を海洋放出すべき」と指摘する。

( 2015/06/23 09:45 カテゴリー:主要 )
http://www.minpo.jp/news/detail/2015062323598

これもわかりにくい記事である。まず、一番最後に出ているのだが、専門家である原子力規制委員会委員長田中俊一は「トリチウム未処理水」を海洋放出せよと主張している。記憶によれば、田中は前々からそのように主張していた。しかし、福島県の漁業関係者は風評被害などを懸念し、トリチウム未処理の「完了汚染処理水」(これ自体が名義矛盾だが)は陸上で保管せよと主張し、とりあえず現段階で福島県庁も同様の姿勢をとっている。

経産省としては、トリチウム処理について作業部会を設置し、5つほど処分方法を検討しているが、どれもまだ有効性が実証できないということである。有効な処分方法があれば、専門家である田中俊一委員長も、トリチウム処理を推奨するはずであり、トリチウム処理についての方法論は確立していないということになろう。

しかし、経産省は、作業部会の成果を引き継ぐ形で検討会を設置するというのだ。この記事では「検討会は経産省の作業部会が絞り込んだ5つの処分方法について適切かどうか議論し、採用する方法を決める。検討会の構成員など概要は今後詰めるが、地元の意向をくみ上げる観点から、周辺自治体や漁業関係者らもメンバーに加える案が浮上している」としている。専門家である原子力規制委員会でもトリチウム処理の方法論はわからないというのに、非専門家である漁業関係者や周辺自治体をメンバーに加えても、トリチウム処理の方法論が判断できるとは思えない。

思うに、トリチウム未処理水の海洋放出を地元に飲ませるための布石として位置づけられているのではなかろうか。「完了」などしていないのにもかかわらず、「汚染水処理」は「完了」したという擬制のもと、新たな放射能汚染を心配しなくてはならないのだ。

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2012年に成立した原子力規制委員会は、2013年に次のような「組織理念」を発表している。

原子力規制委員会の組織理念

平成25年1月9日
原子力規制委員会

原子力規制委員会は、 2011年3月11日に発生した東京電力福島原子力発電所事故の教訓に学び、二度とこのような事故を起こさないために、そして、我が国の原子力規制組織に対する国内外の信頼回復を図り、国民の安全を最優先に、原子力の安全管理を立て直し、真の安全文化を確立すべく、設置された。

原子力にかかわる者はすべからく高い倫理観を持ち、常に世界最高水準の安全を目指さなければならない。

我々は、これを自覚し、たゆまず努力することを誓う。

使命

原子力に対する確かな規制を通じて、人と環境を守ることが原子力規制委員会の使命である。
(後略)
http://www.nsr.go.jp/nra/idea.html

これによると、福島第一原発事故を教訓として、国民の安全を最優先にして、原子力の安全管理を立て直し、真の安全文化を確立することが原子力規制委員会の設置目的であり、常に世界最高水準の安全をめざし、努力しなくてはならないとしている。「原子力に対する確かな規制を通じて、人と環境を守ること」が使命であるとまでされているのである。

この原子力規制委員会が策定し、2013年7月から施行された「実用発電用原子炉に係る新規制基準」(新規制基準と略記)について、同委員会は次のようにサイトで説明している。

新規制基準について
原子力規制委員会は、原子炉等の設計を審査するための新しい基準を作成し、その運用を開始しています。

今回の新規制基準は、東京電力福島第一原子力発電所の事故の反省や国内外からの指摘を踏まえて策定されました。

以前の基準の主な問題点としては、
地震や津波等の大規模な自然災害の対策が不十分であり、また重大事故対策が規制の対象となっていなかったため、十分な対策がなされてこなかったこと
新しく基準を策定しても、既設の原子力施設にさかのぼって適用する法律上の仕組みがなく、最新の基準に適合することが要求されなかったこと
などが挙げられていましたが、今回の新規制基準は、これらの問題点を解消して策定されました。
この新規制基準は原子力施設の設置や運転等の可否を判断するためのものです。しかし、これを満たすことによって絶対的な安全性が確保できるわけではありません。原子力の安全には終わりはなく、常により高いレベルのものを目指し続けていく必要があります。
https://www.nsr.go.jp/activity/regulation/tekigousei/shin_kisei_kijyun.html

新規制基準についての詳細は省略するが、上記の原子力規制委員会の主張によれば、津波・地震の自然対策や重大事故対策がはかられていなかったこと、新しい基準を策定して既設の原発に規制を適用できなかったなどの問題点を解消したものとされている。しかし、これは、「原子力施設の設置や運転等の可否を判断するためのもの」で、「絶対的な安全性」を確保するものではないとしている。いわば、原子力規制委員会が新規制基準が「暫定的」なものでしかないとしているのである。

この「暫定的」な新規制基準で、原発再稼働の審査が現在行なわれている。原子力規制委員会の定義によれば、これは「安全審査」ではなく、「適合性審査」なのである。

この「適合性審査」に川内原発はクリアしたと2014年7月16日に原子力規制委員会は発表した。このことを定例記者会見で発表した原子力規制委員会委員長田中俊一は、記者の質問にこたえて、注目すべき発言をしている。

私は、今はそういう数値だけで議論する、もちろん数値目標は大事ですけれども、そのことで、では国民が納得しているかというと、必ずしもそれはそうではないので、そこのところは、安全目標というのは決して国民と我々が合意して作ってた値ではないということだけは御理解いただかないといけないと思うのです。ただ、我々としては、全ての技術者がそうですけれども、あるレベルの安全性を確保しながらいくという意味で安全目標というのを持ったということで、これは大体、国際的にもそういうふうに思われているところですので、その辺も踏まえて御理解いただければ幸いです。
(中略)
安全審査ではなくて、基準の適合性を審査したということです。ですから、これも再三お答えしていますけれども、基準の適合性は見ていますけれども、安全だということは私は申し上げませんということをいつも、国会でも何でも、何回も答えてきたところです。

http://www.nsr.go.jp/kaiken/data/h26fy/20140716sokkiroku.pdf

田中は、彼らの「安全目標」は国民との合意によって形成されたものではなく、「あるレベルの安全性を確保しながらいく」というものであり、基準の適合性は審査したが、それで安全とは言えないと述べているのである。さらに、別のところでは、次のように話している。

こういったリスクがありますということが分かれば、それに対する対応ができるのですが、一般論として、技術ですから、これで人事で全部尽くしていますと、対策も尽くしていますということは言い切れませんよということです。
ただ、現段階で、いろいろなことを今日も後で私の方からもレクチャーしたように、相当のことを考えてリスクの低減化には努めてきたと、そのつもりではいます。

ゆえに、原子力規制委員会としては、基準の適合性以外は、すべて他者まかせという姿勢をとっている。川内原発の再稼働については、「これも何回も国会でもお答えしているのですけれども、私どもは再稼働をするか、しないかという判断についてはコミットしませんということを申し上げています。稼働を許可するかどうかということについては、もちろん事業者と、それから、地域の住民の方、それから、政府の考えとか、いわゆる関係者の合意で行われるのであって、そのベースとして私どもの審査があるということかと思います」とし、事業者・地域住民・国の合意にすべてまかせている。避難計画についても、「避難計画と再稼働というのは、ある意味では密接に関係はしていますけれども、規制委員会、規制庁がそれの関係をきちっと評価するという立場にはない」と、自身の権限外であることをことさらに強調しているのである。

また、電力会社に安全意識を高めて行くことについては「能力を高めるとか、安全に対する考え方を高めるというのは、事業者は事業者の努力がやはり基本になるのだということだと思います。そういう意味でJANSI(原子力安全推進協会)という組織を作ったので、そういったところを大いに活用して発展してもらって、事業者自身がそういう努力をしていただく必要はあろうかと思います。」と、電力会社側の「自主努力」に委ねるという姿勢をとっているのである。

さらに、防災時に作業員が退避してしまう可能性があることを例にして、事業者=電力会社に規制を守らせる担保はどこにあるのかと記者に質問されて、このように田中は述べている。

○記者 東京新聞のシミズです。これまでも誰が安全の責任をとるのかということは、一義的に事業者だということは再三おっしゃられていて、今回、こういう規制を作って、この規制を事業者が守ればある程度の安全は確保されるだろうということなのですけれども、結局、この規制を最後まで事業者が守るかどうかというのは、どうやって担保されるのでしょうか。要するに、ソフト面で、これは以前も質問があったかも知れないのですけれども、例えば、事故時に最悪の場合、作業をされている方が退避してしまうという可能性がないことはないわけですよね。
○田中委員長 防災のときの事業者の責任については、もう少しこれから確かめていく必要があることは事実です。だけれども、基本的には安全の担保は事業者にあるということも事実です。
○記者 確かめていくというのが、ちょっとよく分からないのですが。
○田中委員長 事故時の被ばく線量とか、そういうことについて、ある程度そういう場合に、事業者に対しては、従業員に対してきちんとそういう約束をしていただくとか、そういうことがいずれ必要になると思っていますけれども、まだそこまで届いていないというところもあります。
○記者 その状態で仮に動かしても、それは今の基準では仕方がないという、そこまで求められないということでしょうか。
○田中委員長 そうですね。そういうふうには私はならないと思いますし、先程も申し上げたような手順を踏んでおいた方が間違いないだろうということはありますけれども、今、そういうことについて、事業者の方から、そういうことがあるとは聞いていませんし、何かそんなことが問題になりそうですか、市村(市村知也 安全規制管理官)さん。ならないよね。

まず、防災の時の安全性確保は事業者側の責任であることを強調し、その際の手順を定めていないことは認めつつも、事業者側からそういうことは聞いていないし、そういうことは問題にならないと言い放っているのである。

そして、政権側が規制委員会が責任をもって安全かいなかをチェックしているのであるから、規制委員会の判断に全てを委ねると発言していると記者から質問されると、田中は次のように答えている。

政治家は政治家の発言がありますので、私から何か申し上げることではないと思っています。私どもは、ゼロリスクということはいつも申し上げられないから、安全というとゼロリスクと誤解されるので、そういうことを申し上げていますけれども、政治的にはわかりやすい意味で安全だということをおっしゃったのかも知れませんし、これは政治家と私の発言とが同じであることは多分ないと思います。

原子力規制委員会の任務は新規制基準の「適合性審査」であって、「安全審査」ではないという田中俊一原子力規制委員長の姿勢は、2014年12月17日に行なわれた高浜原発の「適合性審査」の発表のときにも見られた。この際、次のようなやりとりがなされている。

○記者 ロイターのハマダです。簡潔な質問です。高浜3・4号機の審査書案で両号機は安全と確認されたのでしょうか、そうでないのでしょうか、どちらでしょうか。
○田中委員長 我々の新しい安全要求というか、規制基準に適合しているということを認めたということです。
○記者 それは安全なのでしょうか、安全ではないのでしょうか。
○田中委員長 そういう表現の仕方は私は基本的にとらないと言っています。
○記者 では、安全だということではないということでよろしいですか。
○田中委員長 安全ではないとも言っていません。安全だとも言っていません。
○記者 ○か×かであれば、どちらでしょうか。
○田中委員長 ○か×かという言い方はしません。
http://www.nsr.go.jp/kaiken/data/h26fy/20141217sokkiroku.pdf

そして、再び、このようなことを言っている。

○記者 すみません。朝日新聞のカワダと申します。先程高浜の関係で、安全とも安全ではないとも言わないという話だったのですけれども、先日、安倍首相が会見で、いわゆる規制委が再稼働に求められる安全性を確認した原発については再稼働を進めるという表現をされたのですが、再稼働に求められる安全性というのは確認できたという理解でしょうか。
○田中委員長 言葉遊びになってしまうからね。総理は政治家だから、いろいろなそういう言い方をされますよ。分かりやすくという意味で。でも、私の方は、安全とか安全でないとか、安全が確認されたとか安全でないことが確認されたとかそういう言い方ではなくて、稼働に際して必要な条件を満たしているかどうかということの審査をしたということです。そのことイコール、では事故ゼロかというと、そんなことはないだろうというのは、どんな科学技術でもそういう側面がありますので、そこのところも誤解がないようにということで申し上げているし、逆にそう言ってしまうと、我々自身のワークフィットが典型的ですけれども、そういったことができなくなってしまうということがありますので、そこはやはり少し曖昧かも知れないけれども、そこが非常に大事な考え方だとは思っています。

なんというか…。ここまで田中俊一原子力規制委員会委員長の発言をおってみると、「原子力に対する確かな規制を通じて、人と環境を守ること」を使命とするという組織の長としては、あまりに無責任だと思わざるをえない。田中は、7月16日の会見で新規制基準の安全性は世界において「ほぼ最高レベルに近い」と述べており(ただ、ここでも断言はしていない)、以前よりは基準は厳しく、相対的には安全性は高まったといえる。しかし、田中自身が認めているように、3.11以後、原発への不安が高まった国民との合意によって新規制基準ができたとはいえず、前述したように、これとても絶対的に安全とは田中自身が断言できないものなのである。

もちろん、どんな規制も、現在の知見に依拠した「暫定的」なものでしかないともいえる。その意味で、原子力規制委員会の組織理念のいうように「原子力にかかわる者はすべからく高い倫理観を持ち、常に世界最高水準の安全を目指さなければならない。我々は、これを自覚し、たゆまず努力することを誓う」ことは必要なことだろう。しかし、前述してきたように、その姿勢はみられない。避難計画も電力会社への規制も自身の権限外として放置し、暫定的なものでしかない「新規制基準」がいつのまにか「金科玉条」とされ、その「適合性」のみを審査し、結果としての安全性の確保は等閑視しているのである。

そもそも、「新規制基準」自体が原子力規制委員会が策定したものであり、彼ら自身が見直しできるはずである。しかし、現行の新規制基準を再検討する姿勢はみられない。将来の検討課題にもなっていない。現行の新規制基準以上に安全性を確保することは、事業者=電力会社、自治体、国に丸投げなのである。もちろん、これは、委員長田中俊一の個人だけの問題ではないだろう。新規制基準をより厳しくすれば、田中の立場が危うくなるだろうと考えられる。それでも、田中個人には「辞任」という選択肢はあるだろう。組織理念とは全く違った運営になっているのだから。しかし、田中は、自身の責任は全く等閑視しているのである。

他方で、国は、前述してきたように、安全性の確保は原子力規制委員会の責任としている。安全性確保を組織理念でうたっている原子力規制委員会が絶対的安全は保障できないとし、国は原子力規制委員会が安全性について責任をもつという。両者とも、「権限への逃避」を行なって結果責任を回避しようとしている。それでは、原発の安全性については、どこが責任をもつのだろうか。

まさに、この局面において、丸山真男のいうところの「日本ファシズム支配の厖大なる『無責任の体系』」(『増補版 現代政治の思想と行動』、未来社、1964年)の一端が再現されているといえる。田中俊一の記者会見の速記録を読んでいると、丸山などが記述している東京裁判の被告や証人たちの証言を彷彿させる。ただ、一つ言えるのは、3.11以前には、たぶん、こういう言説を原子力規制当局は発しなかっただろう。彼らは、たぶん、安全性が確保できないと内心思っていても「安全神話」をふりまいていただろう。そういう「安全神話」が消滅した3.11以後、国にしても原子力規制委員会にしても電力会社にしても「危機」に直面しており、その「危機」によって、潜在的には内在していた「無責任の体系」が再び現出しているといえるのではなかろうか。

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さて、先回は、御嶽山噴火によって再びクローズアップされた川内原発の噴火リスクを懸念する声に対し、原子力規制委員長田中俊一が、御嶽山の水蒸気噴火と川内原発で懸念されている周囲の巨大カルデラ火山噴火を同一視するのは「非科学的」であり、そういう場合は「予知」して、原子炉停止や核燃料搬出のような対策がとれるはずとし、さらに、一万年に一回というような巨大カルデラ噴火はここ30-40年間にはこないし、そのような天災を考慮して社会的活動を抑制することはできないと述べたことを紹介した。

より明確に、「安全対策をとっているから大規模噴火でも川内原発は安全である」と国会答弁で主張したのが安倍首相である。まず、次のテレビ朝日のネット配信記事(10月3日配信)をみてほしい。

安倍総理大臣は、鹿児島県の川内原発の再稼働について、桜島などが御嶽山よりはるかに大規模に噴火した場合でも、安全性は確保されていると強調しました。

 民主党・田城郁参院議員:「予知不能であったこの噴火は、自然からの警鐘として受け止めるべき。川内原発の再稼働を強引に推し進める安倍政権の姿勢を認めるわけにはいきません」
 安倍総理大臣:「桜島を含む周辺の火山で今般、御嶽山で発生したよりもはるかに大きい規模の噴火が起こることを前提に、原子炉の安全性が損なわれないことを確認するなど、再稼働に求められる安全性は確保されている」
 安倍総理は、「いかなる事情よりも安全性を最優先させ、世界で最も厳しいレベルの規制基準に適合した」と強調して、川内原発の再稼働に理解を求めました。
http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000035888.html

確かに、川内原発の安全審査は、従来の桜島噴火以上の規模の噴火を考慮にいれてなされている。しかし、巨大カルデラ火山噴火は、想像を絶する規模のものである。九州電力も、過去の巨大カルデラ噴火で川内原発所在地にまで火砕流が及んだことが三回あった可能性を認めている。この地域における人間社会の存続すら揺るがす規模の巨大カルデラ噴火に対して、原発が安全であるということはできない(もちろん、これは、原発だけの問題ではないが)。田中俊一は、さすがに巨大カルデラ噴火において原発が安全であるとはいっていない。予知できるから対策がとれる、頻度が小さい現象だから、すぐにおきることは想定できないといって言い抜けているのである。

安倍首相の発言は、田中俊一の発言と齟齬している。安倍首相の考える「大規模噴火」は、せいぜいが「桜島噴火」以上の規模のものでしかなく、問題になっている「巨大カルデラ火山噴火」について指していないのである。

これは、どういうことなのであろうか。結論的にいえば、川内原発で対策されている「大規模噴火」と、そもそも運転停止や核燃料搬出などの対策しかとれない「巨大カルデラ噴火」が、意図的にか非意図的にか不明だが、混同されているのである。

一般的には、このような混同は、「無知」であるためと認識され批判される原因となる。統治責任のある首相であればなおのことだ。しかし、レトリックでみると、いろいろ根拠をあげて「合理的」に装おうとしている田中の発話より、根拠をあげずにとにかく「安全」である言い切っている安倍首相の発話のほうが、よりインパクトがあるといえる。昨年のオリンピック誘致時に、あれほど問題が山積していた福島第一原発を、一言で「アンダーコントロール」と述べた時と同様である。安倍首相についていえば「無知は知にまさる」のである。

ただ、これは、安倍政権(安倍首相個人はどうだかわからないが)が何も考えていないということを意味しない。たぶん、宣伝戦略の「知」に基づいているのだろう。ある商品の宣伝にタレントを使う場合、その商品についてタレントが知っている必要はない。むしろ、欠陥も含めた商品の実態に「無知」であるほうが、シナリオに基づいて理想的に語ることができるだろう。そう考えると、いろいろ根拠をあげて「知的」に語ろうとする田中俊一の発話よりも、「安全だから再稼働」ということしかいわない安倍首相が、レトリックの上では「説得的」ともいえる。「無知は知にまさる」としたが、それは、このような宣伝戦略としての「知」に支えられているのである。

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9月27日、長野県・岐阜県の県境にある木曽御嶽山が水蒸気噴火し、登山客を中心にして47人以上(10月4日現在)の犠牲者が出て、戦後最悪の噴火災害となった。

この噴火直前の9月には、火山性地震の増加が観測されていた。今になってみれば、前兆といえるだろう。しかし、結局、噴火予知はなされず、事前の対策はとりえなかった。火山噴火予知の難しさが浮き彫りになったといえる。

そして、この御嶽山噴火によって、川内原発再稼働にも今まで以上に不安の声がなげかけられるようになった。川内原発が所在している南九州は、木曽御嶽山や富士山もおよびもつかない阿蘇カルデラ、加久藤・小林カルデラ(霧島山周辺)、姶良カルデラ(桜島周辺)、阿多カルデラ(開聞岳周辺)、鬼界カルデラ(薩摩硫黄島周辺)と巨大カルデラ火山が5個も存在している。この川内原発周辺の火山噴火のリスクについて、時事新報は2014年7月16日のネット配信記事で次のように伝えている。

巨大噴火「予知困難」=火山学者、審査疑問視-160キロ圏カルデラ五つ・川内原発
※記事などの内容は2014年7月16日掲載時のものです
 原子力規制委員会が審査書案をまとめた九州電力川内原発(鹿児島県)が立地する南九州には、過去に巨大噴火を起こした火山が複数ある。規制委や九電は噴火の兆候を監視すれば対応できるとの立場だが、火山学者からは「予知は困難」と疑問の声が上がっている。
 噴火によって火砕流が原発に到達すれば、設備の損壊や作業員の死傷につながりかねない。降灰でも機器が故障したり、交通網がまひしたりする恐れがある。
 原発の規制基準は半径160キロ圏内の火山を検討対象としている。川内原発では巨大噴火があったことを示すカルデラ(大きなくぼ地)が主なものだけで五つある。九電はうち三つについて、火砕流が川内原発がある場所に達した可能性を認めている。
 規制委はカルデラでマグマの量が増えれば地表付近に変化があるとの前提に立ち、九電に観測場所を増やすよう求めた。
 だが、日本大の高橋正樹教授は「噴火の時期や規模の予測は不可能」と苦言を呈する。
 日本では、巨大噴火は1万年に1回程度の割合で発生している。高橋教授は、前回の巨大噴火は約7300年前で、近い将来再び噴火する可能性も否定できないと話す。  また、東京大地震研究所の中田節也教授は「地震対策で活断層を13万年前までさかのぼって調べるなら、1万年に1回という頻度の巨大噴火対策はより厳しくないといけない」と指摘する。
 規制委の審査では、火山の専門家が九電の対策に直接意見を述べる機会がなかった。首都大学東京の町田洋名誉教授は巨大噴火の発生頻度が低いことを認めつつ、「自然は人の思うようには動かない」と強調。鹿児島大の井村隆介准教授も「近くのカルデラで、既にマグマが多量にたまっている可能性も否定できない」と懸念している。
http://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_soc_energy-genpatsu-sendai20140716j-02-w330

1万年に一回の頻度で起きている九州の巨大カルデラ火山噴火の規模はすさまじい。火砕流は川内原発を含む南九州一帯に及び、火山灰は日本全国に達する。7300年前におきたとされている鬼界カルデラ火山噴火は、南九州の縄文社会を一時途絶させたとされている。おきてしまえばどうしようもないのだが、原子力規制委員会や九州電力は、「予知」した対策を講じることができるとして川内原発再稼働をすすめている。しかし、火山の専門家たちは「予知」は困難であるという懸念を示している。

そんな時におきたのが、御嶽山噴火であった。原子力規制委員長田中俊一は、次のように述べている

原子力規制委員長:「御嶽山と一緒に議論は非科学的」
毎日新聞 2014年10月01日 20時44分(最終更新 10月01日 20時56分)

 御嶽山が大きな予兆なく水蒸気噴火し、原発の噴火リスクが改めて注目されている。再稼働に向けた手続きが進む九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)の噴火対策について、原子力規制委員会の田中俊一委員長は1日の記者会見で「(御嶽山の)水蒸気噴火と、(川内原発で想定される)巨大噴火では起こる現象が違う。一緒に議論するのは非科学的だ」と述べ、審査の妥当性を強調した。

 火山噴火予知連絡会によると、御嶽山の総噴出物は100万トン程度で、小規模噴火と分類した。一方、規制委が考慮する巨大噴火の規模はケタ違いで、噴出物は今回の100万倍に相当し、火砕流は100キロを超える地点まで到達する。もし、運転中の原発を襲えば、対処不能に陥る。

 このため、規制委は、火山の監視を強化し、巨大噴火の兆候が観測されれば原子炉を停止したり、核燃料を搬出したりするなどの対策を取ることにしている。

 九電は、川内原発から半径160キロ以内の14火山を「将来活動性がある」「活動性を否定できない」と評価。たとえ噴火しても「敷地への影響はない」とし、火山灰の影響は、桜島の噴火で敷地内に15センチ積もる場合を想定して対策を講じた。規制委はこれらの結果を妥当と結論づけた。田中委員長は「御嶽山より大きい噴火が起きても影響はないと評価した」と話した。

 しかし、巨大噴火は1万年に1回程度しか起こらず、研究は進んでいない。規制委は火山学者を集めた検討会を作り、観測態勢やどのような現象を噴火の兆候と考えるかの指針作りに着手。検討会で火山学者から「現在の火山学では巨大噴火の予測は困難」「巨大噴火の兆候とする判断基準がない」など疑問の声が相次ぎ、判断基準は今後の検討課題となっている。

 田中委員長は「巨大噴火はここ30年、40年の間に起こるものではない。天災がいつ起きるか分からないので社会的活動をやめてください、という考え方では仕事はできない」と述べた。http://mainichi.jp/select/news/20141002k0000m040102000c.html

田中は、御嶽山の水蒸気噴火と巨大カルデラ火山噴火は現象が違うので、予知できるとしている。しかし、そもそも、一万年に一回程度しかおこらない九州のカルデラ火山噴火については研究が進んでいない。どういう前兆があり、どういうメカニズムで起こるということについて、経験した知見がないのである。御嶽山でも異常現象はあったが、噴火の前兆としては認識されなかった。巨大噴火の際、前兆現象があるかどうかすらわからないが、あったとしても、それが噴火の前兆として認識されるかどうかも不明なのである。

そして、「予知」がなされたとしても、有効な対策をとる時間があるのだろうか。ロイターは、次のような記事をネット配信している。

アングル:予知困難な火山噴火、川内原発再稼動で住民心理に影響も
2014年 09月 29日 19:02

 9月29日、御嶽山が27日に噴火し、多数の犠牲者が出たことで、噴火予知の技術的な能力や態勢面などで困難な要因が山積していることを印象づけた。

 東大地震研究所の中田節也教授は、8月25日に規制委が開いた「原子力施設における火山活動のモニタリングに関する検討チーム」の会合で、「巨大噴火の時期や規模を予測することは、現在の火山学では極めて困難」と指摘した。

中田教授はカルデラ噴火の前兆を捉えることができるとする点については否定しない。同教授は5月下旬、ロイターの取材に対し「数カ月前、数週間前なら確実に異常は捉えられると思う。大きな噴火なら、もうすこし長めに(前兆が)起こると思う」と述べる一方で、「それ(前兆)が数年前に起こるとか、数年前に理解できるものではない」とも語った。

原発施設に高温の火砕流が飛んでくるようなカルデラ噴火が発生するならば、核燃料を原子炉から取り出して火砕流が届かない安全な場所に搬出する必要があるが、数カ月間では終わらない作業だ。

規制委の田中俊一委員長は、核燃料を原子炉から取り出して輸送キャスクに入れて外部に搬出できるまでの期間について「通常の輸送は、5年程度は(川内原発など加圧水型では格納容器横の燃料ピットで)冷やしてから」(9月10日の会見)と述べている。
http://mainichi.jp/select/news/20141002k0000m040102000c.html

東大地震研究所の中田節也は、数ヶ月もしくは数週間前に異常は把握できるだろう、巨大噴火ならばもう少し前からおきるだろうと述べつつも、その前兆そのものを数年前から理解できるというものではないとしている。しかし、核燃料搬出は5年程度冷却しなくてはできないと田中俊一自身が認めている。噴火予知は5年前にしないと間に合わないのだ。

なんらかの前兆があって、5年後に噴火するかもしれないという報告があったとして、その報告がまともにとりあげるのだろうか。福島第一原発の場合でも建設時に想定されているよりも大きな津波が来るという報告があっても、対策はされなかったのである。

九州の巨大カルデラ火山噴火は、人類が九州に居住している限り、深刻なカタストロフィーになるだろう。しかし、川内原発がそれにまきこまれることは、放射性物質汚染をプラスすることになるのだ。その点は、東日本大震災と福島第一原発と同様である。

原子力規制委員長田中俊一は「御嶽山と一緒に議論は非科学的」といった。しかし、そもそも巨大カルデラ火山噴火自体が科学的に研究されていない。現状では、「数年前に予知」するということのほうが非科学的であろう。彼は、「巨大噴火はここ30年、40年の間に起こるものではない。天災がいつ起きるか分からないので社会的活動をやめてください、という考え方では仕事はできない」といった。この言葉が示すように、サイエンスではなくビジネスが問題なのである。

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さて、福島第一原発汚染水問題についての政府の方針が9月3日に発表された。まず、次の毎日新聞がネット配信した記事をみておこう。

福島第1原発:政府の汚染水対策 柱は「アルプス」増設
毎日新聞 2013年09月03日 19時42分(最終更新 09月03日 20時29分)

 政府が3日決めた東京電力福島第1原発の汚染水対策の柱は、地下水が原子炉建屋に流入するのを防ぐ「凍土遮水壁」の建設と、汚染水から放射性物質を取り除く多核種除去装置「ALPS(アルプス)」の増設・改良だ。両事業に計470億円の国費を投入し、汚染水問題収拾へ「国が前面に出る」(安倍晋三首相)姿勢をアピールする。

 事業費の内訳は遮水壁320億円、除去装置150億円。今年度予算の予備費(総額約3500億円)から遮水壁に140億円、除去装置に70億円を充て、事業を前倒しで進める。

 組織体制も強化。経済産業省や原子力規制庁に加え、国土交通省や農林水産省も入る関係閣僚会議を設け、汚染水を増幅している地下水対策などに政府一丸で取り組む。また、福島第1原発近くに現地事務所を設けて国の担当者が常駐、東電や地元との連携を強める。風評被害防止を狙いに海洋での放射性物質の監視を強めるほか、在外公館を通じた国際広報体制も充実させる。
http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20130904k0000m010040000c.html

結局、国が前面に出るといっても、「凍土遮水壁」建設と多核種除去装置(ALPS)の増設・改良に国費を投じるというだけだ。問題の汚染水貯蔵タンクの改修については、いまだ東電まかせだ。9月4日のロイターのインタビューにおいて、茂木経産相は、次のように語っている。

(前略)
ただ、8月下旬に汚染水貯蔵タンクから約300トンの高濃度汚染水の漏えいが発覚するなど、事態は予断を許さない。タンク問題について茂木経産相は「(東電の)管理態勢の問題。パトロールの強化、漏えいの検出装置の設置など5つの強化策を指示した。東電もより緊張感をもって仕事に当たってくれると思っている」などと述べ、東電側の改善を見守る考えを示した。

その上で、汚染水問題を含む福島第1の廃炉作業における東電と政府の役割分担について「国が前面に出て、廃炉の問題や汚染水問題も(対応を)加速化させていきたいと思っているが、日々のオペレーションは原発を所有している東電が責任を持つことになる」と語り、作業の主体は一義的には東電だという政府としての見解をあらためて強調した。

<「廃炉庁」は否定>

未曽有(みぞう)の原発事故から2年半が経過し、失態を重ねてきた東電に対する国内外の不信感は根深い。廃炉の作業自体を国が全面的に引き受けるべきと指摘する声も少なくない。

ただ茂木経産相は、受け皿となる「廃炉庁」のような新しい組織を作る考えについては否定した。「エネルギー政策をどうするのか、大きな視野で(検討を)やらないといけない。1つの分野に限った新しい組織を作ることで作業が加速化していくかというと、必ずしもそうではないなと思っている」と語った。

(インタビュアー:ケビン・クロリキー)
http://jp.reuters.com/article/jp_energy/idJPTYE98307920130905?pageNumber=2&virtualBrandChannel=0

結局、長期的にも、東電に日々のオペレーションをまかすということであり、東電の責任ー株主や金融機関の責任をただす姿勢はない。この国費投入もまた、破たん企業東電に対する法外な支援なのである。そして、汚染水タンクの設置・管理すらできない東電に日々のオペレーションをまかすという体制こそ、一番の問題である。

さて、政府が国費を投じて行うという凍土遮水壁の設置と多核種除去装置(ALPS)の改良・増設についてみておこう。凍土遮水壁とは、原子炉建屋への地下水の流入や、そこからの汚染地下水の流出を防ぐために、凍土による遮水壁を建屋周辺の地下に設置するというものである。この凍土遮水壁がそもそも実現可能なものか、そして実現されたとしても十分機能をはたすのか、いろいろと疑問がある。また、とりあえず、これらの疑問はおいておくとしても、その設置は年単位でかかり、急場の汚染水対策には寄与できない。ただ、今は、可能と思われることを何でもするということは必要だろうとは考えられるだろう。

他方、多核種除去装置(ALPS)の改良・増設であるが、これは、大きな問題をはらんでいる。多核種除去装置(ALPS)は、従来の除去装置がセシウムだけしか汚染水から除去できないものだったのに対し、ストロンチウムその他、多くの放射性物質を放出限界以下まで除去することができるというものである。この装置は東芝製で、すでに福島原発に設置されていたが、これすらも汚染水もれを起こして、現在は稼働できないものとなっている。多核種除去装置(ALPS)の改良・増設とは、現在ある装置の不備を修繕して、さらに、増設して、どんどん東電に汚染水処理を進めさせようということを意味する。

そして、処理済みの汚染水をどうするのか。田中俊一原子力規制委員会委員長は9月2日の日本外国特派員協会における講演で次のように語っている。ここではロイターのネット配信記事を出しておく。

原子力規制委員長、低濃度汚染水の海洋放出の必要性強調
2013年 09月 2日 16:55 JST

9月2日、原子力規制委員会の田中委員長は、福島第1原発における汚染水問題が深刻化していることについて「(東電の対応は)急場しのぎで様々な抜けがあった」と指摘。

[東京 2日 ロイター] – 原子力規制委員会の田中俊一委員長は2日、日本外国特派員協会で講演し、東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)福島第1原子力発電所における汚染水問題への対応で、放射能濃度を許容範囲以下に薄めた水を海に放出する必要性をあらためて強調した。

政府や東電よると、福島第1原発1─4号機に流入してくる地下水(推定日量1000トン)の一部が、配管や電線を通す地下の坑道にたまっている汚染源に触れ、海に日量約300トンが放出されている。また、8月19日には、汚染水を貯蔵している地上のタンクから約300トンの高濃度の汚染水が漏れていることがわかり、これが排水溝を通じて外洋に流れた可能性も否定できないとしている。

田中委員長は講演で、 汚染水の海洋への影響について「おおむね港の中で、(港湾の)外に出ると(放射性物質は)検出限界以下だ」と指摘。その上で田中氏は、「必要があれば、(放射性濃度が)基準値以下のものは海に出すことも検討しなければならないかもしれない」と述べた。

多核種除去設備(ALPS)で処理した汚染水を一定濃度に薄めて海洋に放出する必要性については、田中氏が過去の記者会見でも言及した。ただ、ALPSに通してもトリチウムは取り除けない。東電は2011年5月から今年7月までに20兆から40兆ベクレルのトリチウムが海に出たと試算している。

この数値について、田中氏は「とてつもなく大きな値に見えるが、トリチウム水としてどれくらいか計算すると最大で35グラムくらいだ」と述べ、十分に低い水準であるとの認識を示した。

一方で田中氏は、タンクからの汚染水漏れなど対応が後手に回る東電の対応について、「急場しのぎで様々な抜けがあった」と指摘。田中氏は「福島第1は今後も様々なことが起こり得る状況。リスクを予測して早めに手を打つことが大事だ」と強調した。

(浜田健太郎;編集 山川薫)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE98103M20130902

ここでは、多核種除去装置(ALPS)で処理した低濃度汚染水(もちろん、完全には取り除けない)を、海洋に放出する必要があると田中は述べた。重要なことは、この装置では、トリチウム(三重水素)は除去できないということだ。

つまり、この国費投入による多核種除去装置(ALPS)の改良・設置は、ある意味では、海洋へのトリチウム汚染水の放流につながりかねないものなのである。まさしく、技術的においても、そのような危険性をはらんでいる。このようなことがなされれば、福島県周辺の漁業者だけでなく、日本列島すべての人の脅威となろう。さらに、海洋への汚染は、広くいえば全世界の問題ともなる。オリンピック招致への影響を懸念して、国会審議もなく、このような重大な問題が決められてしまった。しかし、このことは、これではすまないだろうと考える。

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さて、最近、異常事態が頻発している福島第一原発につき、東電の管理責任を問う声は少ない。それぞれの事態についての報道はあるものの、それらをトータルに把握して、東電の責任を問う報道はあまりない。そして、東電が実質的に国有化されており、東電の営為は、福島第一原発事故対策だけでなく、除染費用支払いや補償金支払いに至るまで国の責任でもあることを指摘した報道はほとんど見受けられない。

原子力規制委員会は、福島第一原発について、東電に問題点を指摘し、その結果、あきらかになったこともある。それなりに仕事はしている。しかし、7月24日、時事通信は、原子力規制委員長の最終的には基準レベルでの汚染水の海洋放出は避けられないとする発言について、次のように報道している。

低濃度水「捨てられるように」=福島第1の汚染水増加で-規制委員長
 東京電力福島第1原発で放射能汚染水が増え続けている問題に関し、原子力規制委員会の田中俊一委員長は24日の定例会見で、「(放射性物質の)濃度が十分低いものは捨てられるようにしないと、にっちもさっちも行かなくなる」と述べ、海洋放出も視野に入れる必要があるとの認識を示した。
 田中委員長は第1原発の敷地内を「水だらけ」と表現。「きちっと処理して、排水レベル(基準値)以下になったものは排出することは避けられないというのが、私の率直な気持ち」と述べた。(2013/07/24-16:23)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201307/2013072400669

この発言は、結局のところ、現状の東電の措置を「追認」してしまっていることになろう。東電の管理能力では、そもそも基準値レベルまで放射能汚染を安定的に下げること自体に疑問符がつく。ろくに除染もせず、大量の水で稀釈するだけなのではなかろうか。

そして、東電は、現在、原子炉内に流入してくる前の、汚染されていない地下水(東電はそう称している)を、原子炉の上手でくみあげて、海洋に放出する計画を策定し、周辺漁協の合意を求めているところである。このような発言は、東電の交渉にも影響があるだろう。

つまり、原子力規制委員会も、東電程度の対策しか考えていないことになるといえる。流入・流出する地下水をおさえ、再び、原子炉の気密性を確保する、いずれにせよ、これが、せめてもの第一歩であろう。その方策を本格的に検討しないまま、場当たりなその場しのぎをして、最終的に放射能汚染を拡大することしかないというのが現状といえよう。

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    1、原子力規制委員会記者会見からの「しんぶん赤旗」の排除

2012年9月26日、共産党の機関紙である「しんぶん赤旗」は、次のような記事をネット配信した。

原子力規制委員会が毎週1回開く委員会終了後の記者会見について、同委員会の実務を担当する原子力規制庁の広報担当者は「特定の主義主張を持つ機関の機関紙はご遠慮いただく」などとして、「しんぶん赤旗」を排除する方針を25日、明らかにしました。さらにフリーランスの記者についても「どういった雑誌に、どういった記事を書いているかを見て、特定の主義主張を持って書かれている方はご遠慮いただいています」と、憲法が禁止する検閲まがいの対応をしていることも明言しました。

 原子力規制委員会の田中俊一委員長は19日の第1回委員会で、「地に落ちた原子力安全行政に対する信頼を回復する」ため「透明性を確保する」と述べ、「報道機関への発表を積極的に行うことで、委員会としてのメッセージを分かりやすく伝える」とする方針も決めていました。委員会で決めた「報道の体制について」では「報道機関を既存官庁よりも広く捉え、報道を事業として行う団体や個人を対象にする」とまで明記していました。

 これまで、内閣府原子力安全委員会後の委員長らの記者会見で、こうした対応はされていませんでした。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-09-26/2012092614_03_1.html

つまり、「特定の主義主張を持つ機関の機関紙」として「しんぶん赤旗」所属記者を記者会見から排除するとともに、フリーランスの記者についても、「特定の主義主張を持つ」かどうかで選別すると、原子力規制委員会は明言したということである。

    2、原子力規制委員会の初仕事としての原子力「言論」規制

翌26日、原子力規制委員長田中俊一の第一回定例記者会見が開かれた。その際、この問題が記者から質問された。一応、典拠として、この記者会見の映像をあげておこう。大体10分過ぎあたりから、この問題のやり取りが記録されている。

ブログ「みんな楽しくハッピーがいい」で、この部分のやり取りがおこされている。まず、フリーランスの記者から、次のような質問があり、原子力規制委員会の事務局である原子力規制庁の広聴広報課長が、このように答えている。

フリーランス:
フリーランスのWatariと申します。
本日の赤旗の記事で、今日のこの会見にですね、赤旗の記者の参加が認められないという事を、原子力委員会の広聴広報課の方からあったということだったんですけれども、その際にフリーランスの人間も含めて、報道内容を精査し、偏った主義主張の報道媒体、あるいは記者には記者会見の参加を認められないというふうに、委員会の方から連絡があったという事を記者から直接聞いたんですけれども、そのことが事実か?っていうことと、「開かれた報道」という事を前提として、この委員会でそういうことは委員長として、見解としてどうなのか?ということと、それから「偏った報道」というのは、たとえば、フリーランスには限らないと思うんですけれども、どこまでのことをいうのか?と。
朝日新聞、読売新聞、産経新聞、毎日新聞等々はですね、「毎日社説で偏った主張をされている」と僕は思っていますけれども、そうしたものは偏っていなくて、他の物は偏っているという基準を教えて下さい。

(中略)
広聴広報課長:
わたくし広聴広報課長でございますので、まず事実関係から説明させていただきますと、フリーランスの方でそういう主義主張を確認するというような事はございません!
わたくしどもが申し上げているのは、先の19日の委員会決定でもございましたけれども、フリーランスの方の実績ですね。これまでの活動実績として、どういう記事が、掲載されてきたのか、それが出来るだけ最近に掲載されているのか。というような事を見させていただくという事はございますけれども、記事の内容を確認するという趣旨ではございません。
フリーランスの方のそうした活動の、顕著な方を優先して対象としたいという思いでございますので、特定の主義・主張で判断するという事ではございません。
というのが事実関係でございます。

フリーランス:赤旗はどうなの?

広聴広報課長:
赤旗さんにつきましては、こちらは政党の機関紙という事でございまして、報道を事業とするという趣旨からいくと、少し違うんではないかという事で、いわゆるフリーランスの方っていうのは報道を事業とされる方かと思います。
そうした方々を優先的に、こうした記者会見の場でお招きして参加いただくということを申し上げたという事でございます。

フリーランス:政党機関紙以外は・・(聞きとれない

広聴広報課長:少し繰り返しになりますけれども、フリーランスの方であればですね、

フリーランス:フリーに限らないで、直接の意味は、政党機関の…(聞き取れない

広聴広報課長:
政党の機関紙というよりは報道を事業としている方という事を、一つの基準として考えさせていただいています。はい。
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2385.html

そして、広聴広報課長は、次のように「記者会見」の資格について述べたのである。

第一回の委員会の資料で、「報道の体制について」という中で、資料の16ページ17ページにありましたけれど、記者会見等に参加を求める報道機関の範囲は次の通りにするとか言って、いわゆる新聞協会、あるいは専門新聞協会、あるいはインターネット報道協会、等々の会員である方。あるいはこうしたものに準ずるような方というようなことで、一つの基準は示させていただいているところでございます。その中に、いわゆるその報道を事業と、最初の趣旨のところでですね、報道事業として行う団体や個人を対象にする。というふうに掲載させていただいています。
という、ことでございます。
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2385.html

いわば、「報道事業者」に記者会見参加者を限定するとしたのである。その上で、政党機関紙である「しんぶん赤旗」は参加資格がないと述べている。ここであげている「報道の体制について」という文書において、いわゆる記者クラブ会員以外の記者会見参加者は「発行する媒体の目的、内容、実績等に照らし、上記いずれかに準ずると認め得る者」「上記メディアが発行する媒体に定期的に記事等を提供する者であって、その実績等を認め得る者」とし、その判定の基準を「発行媒体の目的・内容・実績の報告を求め、これらを証する資料の提出を求めて、準ずるか否かを判定する」などとしている。いわゆる「検閲」というのは、このことをさしていると思われる。なお、広聴広報課長は「内容」はみないとしているが、この文書では「内容」も判定基準としている。ということは、今後、具体的な運用がすすめば、「内容」も判断基準として記者会見参加者の選別が行われるのであろう。結局、原子力規制委員会の初仕事は、記者会見参加者の選別という形で行われる、原子力「言論」規制なのである。

    3、原子力規制委員長田中俊一の本末転倒な「政治的中立」論

フリーランスの記者に続いて、「週刊金曜日」の記者が、「しんぶん赤旗」は報道事業として成立っており、報道事業者に該当するのではないかと質問した。それに対し、田中俊一は、次のように答えた。

これは答えにくいところですけれども、政治からの独立っていうのがこの委員会の非常に大きな、プリビレージ、それがありますので、政党っていうのは政治とダイレクトに政治の力を表に出す一つの手段として使われているのが、政党の機関紙じゃないかと思うんですね。
これは私の考えですけれども。
ですから、そういうところで、そういう方を同じにっていうふうにやってしまうと、政治からの独立っていうことが、少し怪しくなるかなっていう感じはしないことはないですね。
これはみなさんが、是非、皆さんで考えていただいた方がいいと思いますけれども、私はそんなふうに思うところがありますね。
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2385.html

田中俊一が「しんぶん赤旗」を排除する理由は、原子力規制委員会が政治的に中立でなければならないからというのである。彼にとって、政党の機関紙である「しんぶん赤旗」に書かれることは「政治の力を表に出す一つの手段」なのである。

原子力規制委員会が、政治的中立を求められるのは、推進側との一体化をさけるためであった。6月15日の参議院本会議で、原子力規制委員会設置法案の共同提出者の一人である民主党の近藤昭一衆議院議員は、次のように述べている。

衆議院議員(近藤昭一君) 法案提出者の衆議院議員の近藤昭一でございます。
 原子力規制委員会を三条委員会としたその理由について、お答えをさせていただきたいと思います。
 これまでの原子力規制においては、原子力発電の推進を担う経済産業省とその規制を担う原子力安全・保安院とが一体となっていたため、独立した規制上の判断と決定が担保されず、安全規制がゆがめられる事態が生じておりました。
 新たな規制組織をどのようなものとするかについて、政府案は環境省の外局として原子力規制庁を設置するものでありましたが、本法案では原子力規制組織を独立行政委員会、すなわち三条委員会として設置することとし、十分な権限、人事及び予算が担保された上で、原子力事業者のみならず、他の行政機関や政治部門からも独立して職権を行使することが可能な組織となっております。

そして、原子力規制委員長に田中俊一が不適格であるとして世論が反対するのは、彼が日本原子力研究開発機構という、原発の推進側にいた人物であるからということである。原子力規制委員会設置法は第7条の中で、「原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再処理若しくは廃棄の事業を行う者、原子炉を設置する者、外国原子力船を本邦の水域に立ち入らせる者若しくは核原料物質若しくは核燃料物質の使用を行う者又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)若しくはこれらの者の使用人その他の従業者」は原子力規制委員になれないと決めている。つまり、彼自体が委員長の職にいるということ自体が、原子力規制委員会の中立性を侵犯しているのである。つまり、彼が政治的中立を云々する時点で、本末転倒なのである。

その上で、彼は、「しんぶん赤旗」に書かれることを「政治的圧力」として把握している。しかし、「しんぶん赤旗」紙上で指摘されるということは、別に、他の新聞ー例えば朝日でも読売でもいいがーで書かれることと、手段において差はない。それは、政治的な圧力ではなく、公開の場の言論にすぎないのである。田中の発言は、政治的圧力と公開の場の言論による批判を混同したものなのである。確かに、「しんぶん赤旗」記者の質問は批判的なものであろう。しかし、その批判的な質問により、原子力規制委員会の問題点がよりあきらかになる。そして、当たり前のことだが、「しんぶん赤旗」記者の行った質問によってあかされたことは、単に「しんぶん赤旗」の読者だけでなく、他の新聞の読者にも共有される可能性を有する。その意味で、公開の場での言論による批判は、社会の共有財なのであるといえる。

特に、原子力規制委員会設置法では「原子力規制委員会は、国民の知る権利の保障に資するため、その保有する情報の公開を徹底することにより、その運営の透明性を確保しなければならない。」(第25条)と、情報公開を徹底することを規定している。これは、福島第一原発事故で情報が隠蔽されたことの反省に基づいたものである。その意味で、田中らの発言は、そもそも原子力規制委員会設置法にも反するとともに、福島第一原発事故から何も学んでいないことを自ら暴露したものであるといえる。

このブログで、田中俊一の放射線規制に対する考え方は規制委員長として不適格ではないかと指摘したことがある。しかし、そもそも、「政治的中立」という「公人」としての第一原則まで理解できない人物とは思わなかった。しかし、考えてみれば、原子力規制委員会設置法自体が、彼のような存在を原子力規制委員としては不適格としているのであり、そのことに思い当たらないがゆえに、原子力規制委員長の職につくことになったのだろうと思う。つまり、前述したように、政治的中立を侵犯している人物自体が、記者会見参加者の「政治的中立」を云々するという、逆さまなことになっているのである。

このままいれば、より晩節を汚すだけだと思う。国会の同意不同意にかかわらず、本人のためにも一刻も早く辞任すべきであると思う。いずれにせよ、原子力規制委員会は原子力「言論」規制委員会になりはてているのだ。

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