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2012年6月16日の朝日新聞朝刊に、次のような小さい記事がのった。

「決定前夜」首相官邸前の抗議に1万人 主催者発表

 関西電力大飯原発(福井県)の再稼働に反対する市民らが15日夜、首相官邸前で野田政権への抗議行動をした。野田政権が16日に再稼働を正式決定する前夜とあって、主催者側によると、これまでで最大規模となる1万人を超える人たちが集まったという。

 「再稼働に断固反対」などと書かれたプラカードを手に約2時間、参加者が交互にマイクを握り、「経済より命が大事だ」「今すぐ辞任すべきだ」と批判の声をあげた。賛同する国会議員や俳優の山本太郎さんらも参加した。

この記事自体は、別に間違いではない。しかし、あの場にいた私としては、非常に違和感のある記事である。この抗議活動全体の規模が、これでは伝えられていないのである。

この抗議行動の全体を把握するには、次の動画をみるのが一番いいだろう。以下に紹介する。

この、抗議行動の最前列から最後尾までをとった動画が、何よりもまして、抗議行動の状況を伝えてくれる。この抗議行動が行われたのは、首相官邸前にある国会記者会館脇の歩道であった。歩道といっても、一般的な歩道で、それほど幅は広くない。そこに1万人もの人が押し寄せたのである。以下の地図が該当場所である。ここは、国会議事堂敷地の南の1片にあたるが、この動画をみていると、ほぼ、その一片が埋め尽くされた。3.11に、国会を人間の鎖で囲むということがなされたが、その時も約1万2千人であった。たぶん、国会議事堂を「人間の鎖」で囲むことが可能なくらいの人がいただろうと思う

抗議行動の最前列はアピールの場であった。3分をメドとして、かわるがわる、一般参加者や国会議員がアピールを行った。その一部が、次の動画に出ている。

しかし、参加者が多く、スピーカーが間に合わなくなった。私のいたところは、比較的前のほうだったが、そこでも、アピールの内容を聞き取ることは難しかった。先のアピールも、聴くには聴いたが、内容を把握したのは、この動画をみてのことである。つまり、主催者(呼びかけ人:首都圏反原発連合有志)も、これほど集まってくることを予想していなかったのである。

そして、動画をみていくと、最後尾の方では、ほとんどアピールが聞こえていなかったことがわかる。人びとは、それぞれ、「再稼働反対」などと唱えているばかりであった。

他方、この動画をみていると、参加者が車道にまではみだしていることがわかる。これは、かなり驚くべきことである。今まで、歩道において抗議行動を行う際、警察は、歩行者の通行を保障するとして、歩道幅の約半分までしか利用を認めなかった。しかし、ここでは、車道まで参加者がおり、警察は車道にはみ出た参加者を「保護」しているのである。

最後尾のほうでは、警察が「前に進んでください」「歩行者の妨げにならないようにしてください」と「指導」していた。たぶん、列が長くなることを嫌ったと思われる。警察も、これほど参加するとは思っていなかったのであろう。これは、参加者の多さによってもたらされた「ささやかな勝利」といえる。

残念ながら、大飯原発再稼働は、6月16日に決まった。しかし、これからも、局面における「勝ち負け」は続いていくだろう。

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