Feeds:
投稿
コメント

Posts Tagged ‘不信任’

このブログで、井戸川克隆双葉町長が、除染などの放射性廃棄物質の中間貯蔵施設を双葉郡に建設するための調査を受け入れることを決めようとして、佐藤雄平福島県知事と双葉郡内町村長との11月28日に開催された協議会に欠席し、そのため翌29日、双葉郡の各町村長たちから双葉地方町村会長の辞職をせまられ、さらに、そのことを主な理由として、双葉町議会から町長辞職を要求されたことを伝えた。

その後、まず、井戸川町長は、10日に双葉地方町村会長の辞職を余儀なくされた。そのことを、福島民友新聞は、次のようにネット配信で伝えている。

井戸川氏が会長辞任 双葉町村会、後任に山田広野町長
 双葉地方町村会長の井戸川克隆双葉町長が、中間貯蔵施設の現地調査受け入れを協議する会議など町村会と国・県などとの重要会議に欠席したことなどを理由に、双葉町を除く7町村長から会長辞任を求められていた問題で、井戸川会長は10日、郡山市で開かれた同町村会の会議で辞任を申し出て受理された。新会長には副会長の山田基星広野町長が選ばれた。山田新会長の任期は前会長の残任期間の来年3月31日まで。
 会議は非公開で行われた。山田氏によると、井戸川前会長への辞任要求は7町村長の総意として、先月29日、山田氏が行った。山田氏は「(先月28日の)会議欠席が問題だった。前に進む方法を採るべきだった」と井戸川前会長のこれまでの行動を批判した。
(2012年12月11日 福島民友ニュース)
http://www.minyu-net.com/news/news/1211/news3.html

他方、双葉町議会は、12日、井戸川克隆町長に対して辞任要求を行った。町長は17日に拒否したが、町議会は不信任案提出をめざした。下記の福島民友新聞のネット配信記事をみてもらいたい。

提出なら可決必至 双葉町長不信任案で議会
 双葉町議会の町議のほとんどが19日、埼玉県加須市で20日開かれる12月議会最終本会議に井戸川克隆町長の不信任案を提出する方針を固めた。同案が提出されれば、可決は必至の状況で、可決後は町長が議会を解散するか、自らが辞職することになり、年明けの選挙戦が避けられない。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故のため続く全町避難は2度目の年末を迎え混乱の度を増している。
 全町議8人は12日、「町長は議会への相談、町民への説明もなく、独断で町政を行っている。大事な会議を欠席するなど、双葉郡から町が孤立してしまう」などとして、井戸川町長に辞職を要求。これに対し井戸川町長は17日、「区域再編や中間貯蔵施設の建設問題など、町の命運を左右する大きな問題に形を付けなければならない」などとして、「町長職の続投」を回答、要求を拒んでいた。
(2012年12月20日 福島民友ニュース)
http://www.minyu-net.com/news/news/1220/news9.html

そして、実際に20日に双葉町議会に町長不信任案が提出され、全回一致で可決したのである。比較的詳細に報道している河北新報のネット配信記事をここであげておこう。

双葉町長不信任案可決 町議会で全会一致 進退、週明け判断

町議会の不信任決議に「批判する側にも責任がある」と反発する井戸川町長=20日、埼玉県加須市騎西総合支所
 福島県双葉町議会は20日、福島第1原発事故で役場機能を移した埼玉県加須市で12月定例会を開き、井戸川克隆町長の不信任決議を議員8人の全会一致で可決した。地方自治法で町長は10日以内に議会を解散しない限り失職する。井戸川町長は週明けにも進退を判断する意向を明らかにした。
 不信任決議は、除染廃棄物の中間貯蔵施設の立地調査をめぐり、11月28日に福島市であった福島県知事と双葉郡8町村長の協議を井戸川町長が欠席したのが主な理由。当時、調査候補地に双葉町の2カ所を含む郡内12カ所が挙がっており、井戸川町長は双葉地方町村会長として協議を主導する立場だった。
 本会議で、決議案を提出した岩本久人町議は「協議を議会に説明なく欠席した。中間貯蔵施設は賛否はあるが、避けては通れない問題で、復興への大きな妨げになった」と不信任の理由を説明。「町長は『町民の声を聞く、議会と相談する』と常々言うが、一度も機会がない」と批判した。
 井戸川町長は採決前に発言を求め、「町民の健康を守り、賠償で損をしないよう尽くした。国と県、東京電力こそ事故の経緯と今後の道筋を示すべきで、このような決議は残念」と反論した。議会終了後の取材には「議会は全て私が悪いと言うが、批判する側にも責任がある」と述べた。
 いわき市の双葉町仮設住宅に暮らすアルバイト林祐司さん(57)は「双葉町だけが何も前に進まず遅れているので、前進できる人に代わってほしい」と話した。同市のパート女性(52)は「議会も町長もそんなことで騒いでいる場合ではない。町民として恥ずかしい」と町政混乱を嘆いた。
 井戸川町長は双葉町出身。水道設備会社経営を経て2005年初当選し、2期目。現在の任期は13年12月7日まで。

◎独自の路線/説明不足

 【解説】福島県双葉町議会が全会一致で井戸川克隆町長の不信任を決めた。福島第1原発事故対応をめぐり対立してきた町長と議会。背景にあるのは双葉郡8町村の中で独自の道を模索する井戸川町長の姿勢だ。
 井戸川町長は第1原発から約4キロの町役場付近で事故に遭った。「放射能の感覚が違う」と公言し、他の町村長とは異なる判断を重ねてきた。
 原発事故で役場機能を移した県内9町村で唯一、県外に仮役場を置く。双葉町内の試行的除染を断り、放射線量に応じた避難区域の再編にも一切応じていない。
 年間1ミリシーベルト以上の追加被ばくに極めて慎重な姿勢を評価する声もある。独自の道を歩むからこそ丁寧な合意形成が求められるが、説明不足は否めず、議会側の理解は得られなかった。
 不信任案提出は6、9月の定例会に続き3度目。6月と9月は可決に必要な4分の3の賛成には達しなかった。今回の不信任案提出者は前回、前々回は町長を擁護し、否決に回った議員だった。
 町長不信任に伴う選挙で一定期間、復興の歩みが停止するのは事実。空白期を奇貨として町再生の道程を再構築するためには、住民を巻き込む理性的な議論が町長、議員双方に求められる。(福島総局・加賀山仁)

2012年12月21日金曜日
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/12/20121221t61007.htm

この河北新報の記事においては、いくつかのことが読み取られよう。一つに、やはり、中間貯蔵施設建設のための調査受け入れを決めようとした県知事と双葉郡の町村長たちの協議会に欠席したが不信任の主な理由となっているということである。これだけでは、どう考えても町長不信任の理由としてはおかしい。しかし、双葉町議会としては、町内の中間貯蔵施設受け入れを容認する姿勢をもっている。その意味で、直接的には、双葉町内に中間貯蔵施設受け入れについての是非が町長ー町議会の対立の原因となっているといえる。

もう一つには、放射性物質問題があるといえる。現在、福島県内は、かなり高い放射線量があるにもかかわらず、福島県の意向で、住民に避難の権利は与えられていない。年間20mSvにするという不十分な除染によって、さらに住民が住まなくてはならない高放射線量の地域は拡大することが予想される。そして、そのために中間貯蔵施設の建設が要請されている。

そのことに反対していたのが井戸川克隆双葉町長であったといえる。双葉町民の多くを埼玉県に避難させ、町役場を埼玉県に置いていることはそのあらわれといえる。そして、河北新報のいうように、町内の試行的除染や避難区域の再編に応じないのも、町民を被曝にあわせないためといえる。

しかし、年間20mSv以下は安全とする福島県のドクトリンからみて、井戸川町長のあり方は容認できないものであった。そして、福島県内に避難した住民も多いだろう。町議たちも福島県内の人間関係により多く拘束されているといえる。まさしく、このような考え方が、双葉町長の不信任に結果したと考えられるのである。

広告

Read Full Post »