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Archive for the ‘築地市場’ Category

吉野屋築地一号店

吉野屋築地一号店(2010年10月16日撮影)

吉野屋築地一号店看板

吉野屋築地一号店看板(2010年10月16日撮影)

最近、移転問題でさかんに議論されている築地市場の場内に、牛丼チェーン吉野屋の築地一号店がある。市場場内の他の店よりは、洗練された造りであるが、決して広いわけではない。接客スペースは数坪程度であろうか。カウンター席しかなく、それも精々十数人程度しか入れない。小さな立ち食い蕎麦屋程度の店だ。このように小さい店は、吉野屋ではみかけたことがない。メニューは、牛丼(並380円)中心で、他の店のように牛鍋丼(並280円)は無かった。店の入口には、吉野屋が魚河岸に1899年に開業したこと、そして魚市場で吉野屋の牛丼の味が育まれたとする看板がかけられている。そして、店内には日本橋魚河岸で開業した吉野屋のレリーフが掲げられている。つまり、吉野屋は元々日本橋魚河岸で開業したのであり、築地に市場が移転した1926年に吉野屋も移転してきたのだ。つまり、地理的にいえば、同地は吉野屋の発祥の地ではない。
しかし、店内に入ってみよう。この築地第一号店は、他の吉野屋とは違った雰囲気を有している。前述のように牛丼中心のメニューだが、ほとんどの客が、細かな味の調整を求めて隠語を使って注文している。ある客については、顔をみたとたん、店員のほうから隠語を発し、注文をとっていた。つまりは、築地市場を中心とした常連客で、この店はなりたっている。そして、それが、吉野屋の食文化をささえているといえるのだ。吉野屋のウィキペディアには、築地一号店しか通用しない隠語が多く掲載されている。
この築地一号店は、吉野屋のアイデンティティの拠り所とされており、公式ホームページに大々的にとりあげられている。地理的な発祥地ではなく、常連客と形成してきた食文化に、吉野屋は自身の過去の「記憶の場」を求めたといえよう。

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